身を切る改革で、新しい政治の扉を開く

大人になれなかった子どもたちのために私たちができること

 

旭川14歳少女イジメ凍死事件

私は2019年に「いじめや虐待、ネグレクトをなくしたい」と訴えて大阪府民のみなさまに国会議員にしていただきました。自分なりに勉強やヒアリングを重ね、所属委員会である文教科学委員会ではいじめや虐待の防止に資すると信じる質疑を政府に対して行って参りましたが、実質なんの現状も変えられないまま、子どもの命が奪われるニュースを、ひたすら情けない気持ちで、不甲斐ない気持ちで受け取る日々を送ってきました。

そんな私が衝撃で打ちのめされたのは、4月15日・4月18日に文春オンラインから出された【旭川14歳少女イジメ凍死事件】。
加害者の悪質性、教育者による隠蔽、関係する大人たちの対応の違和感、SNSの闇、どれをとっても常軌を逸しており、立法府の人間としてこの事件を放置しておいては未来永劫日本のいじめ問題は解決しないと、いてもたってもいられず私は旭川に向かいました。

心ある方のご協力により、亡くなられた廣瀬爽彩さんのお母様に直接お会いすることができたのは4月25日のこと。これまでの経緯や遺族としての思い・憤りとともに、いじめによるマインドコントロールの症状や後遺症の状況など、生前の爽彩さんがいかに苦しみと闘ってきたのかを生々しくお伺いしました。
旭川から羽田へ帰る飛行機では、やり場のない悲しみと抑えても湧き上がる怒りをこらえながら、翌日立つことになっていた決算委員会の原稿を書き、国会事務所へ戻ってからも既に文科省からの質問取りを終えている質疑要旨とにらめっこしながら夜を徹して事実確認と原稿の手入れを行いました。なんとしてでもご遺族に一筋の光を見出していただけるような言葉を文科大臣からいただきたい、その一念でした。

実はその夜の間に大きなトラブルが発生した私は議場に立てる状況ではなくなっていたのですが、幸運にも同僚の音喜多駿参議院議員が引き継いでくださることに。議員にとって質疑は大切な魂。もちろん自分自身で質問に立ちたいという強い思いはありましたが、ほぼ同じ原稿であっても誰が発するかによって光の当たり方が違うのも質疑。抜群の発信力を誇る音喜多議員に放っていただけたことで結果的にこの質疑は最大の効果を発揮できたのだと、この日はご自身の専門委員会で質疑があったにも関わらず快く代打を引き受けてくれた同期に心から感謝しています。

 



【4/26 決算委 質疑内容】
・文科省の補正予算に自殺対策予算が入っていなかった理由は?
・いじめ、自殺対応の専門部署は文科省にあるか?
・専門部署を作って予算を増やしては如何か?
・旭川いじめ事案にて遺族は弁護士同伴での話し合いを学校に拒否されているがこの対応について如何か?
・加害者のヒアリングや学校の対応をまとめた文書の開示請求を遺族は3度拒否されているが、遺族の知る権利について如何お考えか?
・本日学校で説明会が予定されている。遺族にこの説明会に出席する権利があるとも考えられるが、見解は?
・大津市中2年いじめ自殺では当時の文科大臣が「調査の進展次第では文科省が直接大津市教育委員会への調査に乗り出す」と発言しているが旭川事案に関しては如何か?

萩生田大臣は子どもに対して(特に前例のあることについては)前向きな言葉をくださるだろうという確信が日頃の委員会から持っていましたので、旭川いじめの第三者調査委員会に「必要があれば私を含めた政務三役が直接現場に入って話を聞くこともあり得る」とのご答弁をいただくことができ大変ほっとしました。

続く5月20日の文教科学委員会では文科省の本気度を試す質問でもあり、今後の課題を整理し制度を変えていくための質疑でした。



【5/20 文科委 質疑内容】
・先日の決算委にて旭川いじめ事案にも必要があれば文科省職員の派遣もあり得るとおっしゃったがどのように関与していくか?
・省のいじめ自殺専門官が第三者調査委員会の委員またはオブザーバーとして派遣してはどうか?
・退職後にいじめ重大事態の責任が認められた場合、元校長などに処分はあるのか?
・刑事責任を14歳という年齢ではなく中学入学相当の特定の日より発生させることに法的な問題はあるか?
・旭川いじめ事案では人手不足でSSW/SCが機能しなかった。オンライン対応のSSW/SCが必要ではないか?
・子どもたちのSOSに早期に気づくために悩みをすくい上げるアプリ開発について

 

旭川の教育はすべて闇、なのではない。

思春期の少女が小学生を含む大人数の前で先輩らから自慰行為を強要され、動画に撮られ、拡散される。夜中に呼びつけられ、食べ物を奢らされる。少女が川で自殺を図ったニュースは地元メディアに取り上げられたにもかかわらず、学校側はいじめを認定せず、担任は訴えに取り合わず、教頭は加害者を養護し、被害者や被害者家族の気持ちを踏みにじった。

問題が起こった当時の校長が旭川教育委員会の元管理職であったことが関係してかどうかは不明だが教育委員会は学校の問題だと突き放し、地元警察は被害届も受理せずその内容では警察は動けないと保護者を追い返した。

転校先の学校ではあたたかく迎えられたが、元のように明るく毎日登校するまでには至らず、深い雪の中凍った遺体となって発見された。少女の葬儀には問題となった中学校の前校長・教頭・元担任が姿を表すことはなく、前校長は退職金をもらった後に他の教育委員会に天下り。

学校側は在校生保護者からの説明を求める声が高まるまで頑として保護者説明会も開催せず、被害者遺族に知らせることなく開催された説明会では本件にほぼ関係のない新校長が頭を下げ続けるのみで元担任や教頭は詫びの言葉ひとつなく保護者らの怒号やため息で満たされた。事件に無関係な子どもたちが疑惑に巻き込まれ、新たないじめの火種となった。

行政は文春オンラインの報道によって全国的に注目されるまで重大事態認定せず、その後第三者調査委員会を設置することになったものの、委員に選ばれたメンバーのうち複数名が”第三者”とは言えない人物であったことから差し替えなどで出だしから紛糾。遺族の求める弁護士は委員に認めてもらえず、大きく不信感を募らせるような出来事も発生、夏休みの間もほとんど委員会は進まず、挙句の果てには調査委の設置を決めたはずの西川将人市長がまだ何もいじめの事実が明らかになっていないというのに任期途中で市長を辞任し今秋の衆議院議員選挙へ出馬することに。

 

闇ばかりを感じるこの事件の中で、それでも是非みなさんに知っていただきたのは、爽彩さんのことを大切に思い、なんとか救いたいと思っていた教育者もいらっしゃったということ。決して旭川の教育のすべてが朽ちているわけではないということです。

爽彩さんが転校した先の中学の先生方は爽彩さんが元気に登校できるよう様々な配慮をされ、行方不明になってからは連日捜索に加わっていらっしゃいました。とりわけ校長先生は、遺体発見の一報を受けて爽彩さん宅へ赴き、変わり果てた姿の彼女に「お前の無念は必ず伝えるからな」と声をかけると、早期に全校集会を開かれたそうです。

旭川にも沢山、子どもを愛する先生方がいます。
旭川には沢山、国の宝である子どもたちが育っています。

決して諦めてはならない。

政治が変われば
旭川はきっと変わることができると信じています。

 

鍵を握る旭川市長選挙、9月26日。

 

西川将人前市長は第三者調査委員会を放棄して8月末日ですでに辞職、教職員組合からの応援を受ける立憲民主党から国会を目指すための準備を着々と進めています。
大事な子どもたちの未来を立て直すことを放棄して、国会に何をしにいらっしゃるのかは不明ですが、市長がお辞めになってしまった限りは次の市長選挙が行われます。

それが、本日最終日を迎え、明日9月26日投開票となる旭川市長選挙。

 

日本維新の会は、いじめ問題解決をはじめ旭川を未来の明るい北海道第二の都市にしてほしいとの思いから、今津ひろすけ候補に推薦状を出すことを決めました。

鈴木宗男参議院議員からは「梅村さんはずっといじめの問題を掘り下げているのだから推薦状贈呈のときには一緒に旭川に来ると良い」とおっしゃっていただき、ならばと再び爽彩さんのお母様のもとを訪ねました。

私も娘のある身。
大切な娘を失った母親にとっては真相が何より知りたいし、再発防止も望みたいけれど、娘の死を政治の争点にされるのは嫌だという気持ちもお持ちかもしれない。

そう考え、一言お断りをいれたかったのです。

すると驚いたことに

「爽彩は今津さんと握手したことがあるんですよ。」

とお母様がおっしゃったのです。

生前の爽彩さんはたまたま今津候補の政治活動に遭遇したことがあり、握手をしたあとにはとても嬉しそうにしていらっしゃったと。

また、訪れた9月4日は爽彩さんのお誕生日の前日だったのです。誕生日のお話をなさるお母様は優しい笑顔でいらして、母は永遠に母であるのだと思いながら幼い頃の爽彩さんの写真に目を向けました。

我が党では西川市政を踏襲する立憲民主党推薦の笠木薫氏が市長となれば、西川市の顔に泥を塗るようなことはできないため、爽彩さんの事件の真相解明は望めないと思っていますが、その雰囲気はこちらの動画をご覧いただけると大変良くわかると思います。
元警察官で犯罪ジャーナリストの小川泰平さんによるインタビューです。



一方、こちらは私たちが推薦している市長選候補の今津ひろすけさんです。

第三者調査委員会の委員についても見直しを検討しいる今津候補は、ちょうど爽彩さんと同じ年頃の子どもを持つ父親でもあります。
今回の事件に対し、また問題解決に対しどのような考えをお持ちなのかは下記の動画でご確認いただけると思います。



今津候補が当選なさったら警察の協力についても改めてお願いしてみたいと密かに考えています。
爽彩さんが自殺未遂をしたときに警察は関与しています。その際にSNSの履歴などもおそらく調べていると思いますし、SNSの内容を見ずして真相究明はできないと考えているからです。

しかし今回の選挙。良識ある市民の皆様なら大丈夫だと信じたいのですが、楽観はできません。
市外の方からすると「前市長の後継候補はさすがに難しいのでは?」と思うかもしれませんが、ある有権者の方は「旭川は組織票が強い。誰に投票したか証拠を見せろと強要されることもある」と。
勿論〝証拠を見せろ〟などは極めてレアケースなのだと思いますし、恐らく47都道府県のどこでも組織票はあることから、そのレアケースも旭川に限った話ではないかもしれません。

これは旭川の皆様だけでなく全国の皆様に今一度問うていただきたいのは「投票は誰に指図されるものでもない私たち個人の権利ではないですか?」ということ。

どうか旭川の皆様には
投票率を上げていただきたいのです。

投票率が低下すると組織票が強くなるからです。

毎日お忙しいと思うのですが
また、コロナ禍で心苦しいのですが
明日は今津候補に、1票を入れていただきたいのです。

 

 

 

大人になれなかった子どもたちのために私たちができること

 

 

 

私は2度、爽彩さんの仏前に手を合わせて誓いました。

”あなたは大人になることはできなかったけれど
社会を変える女の子になるはずです。
どうかそのお手伝いをさせてください”

いじめ防止対策推進法の立法事実となった
滋賀県大津市の中2いじめ自殺事件以降も
多くの子どもたちがいじめによって命を奪われてきました。

子どもからのいじめにより奪われた命
教師からのいじめにより奪われた命
いじめの放置・隠蔽により奪われた命

彼らを大人にしてあげることはもうできないけれど
せめて彼らの死を無駄にしない。

制度を変え、救える命を救うこと。

これは唯一、
私たちが亡くなった子どもたちにしてあげられる弔いだと思っています。

旭川が変わっても、法律が変わらなければ日本のそこかしこでまた子どもたちの命がいじめによって失われます。

時に加害者的立場にもなり得る教育委員会が第三者調査委員会の事務局を担当する不公平さ。

第三者委員会に遺族推薦の委員を入れられる仕組み。

人を死に追いやった子どもたちが十分な反省をする機会を与えられずなにもなかったように日常を送ることができる危うさ。

隠蔽防止のための教師・学校・教委に対するペナルティーないしインセンティブ。

こどもたちのSOSをすくい上げるデジタルツール。

教育委員会制度そのものの在り方。

そして子どもたちの心と体と人生を守るための性教育や腹落ちする道徳。

手を入れなければならない部分は数多くありますが、亡くなった子どもたちと一緒に議員立法を作るつもりでこれからも努力して参ります。

どうか、皆様のお力をお貸しください。

長文をお読みくださり、ありがとうございました。

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