身を切る改革で、新しい政治の扉を開く

離婚後共同親権、可決成立。

本日、参議院本会議にて改正民法が可決・成立しました。

夫婦としての関係が終わりを迎えても、親子の絆は保たれる。
先進国では当たり前の共同親権制度がようやく日本に導入されることとなり、この政策に心血を注いできた政治家の一人として万感の思いです。
「いじめや虐待で子どもが命を失うことのない日本にしたい」
そう訴えて大阪府民の皆様に国会へ送っていただいてから、まもなく5年を迎えます。
2019年夏の初当選以来、地元大阪はもちろんのこと様々な自治体の児童相談所や一時保護所、児童養護施設を視察してきました。
日本全国で最も虐待件数が少ない鳥取県に出向いた際には、人口規模の大きい都会ではなかなかできない取り組みや全く異なる設備に驚き、全国一律のルールを設ける難しさに直面しました。
虐待事案は父母双方が親権者としての適格性に欠くケースや望まぬ妊娠に端を発するものも散見され、愛情を持って家庭的養護をしてくださる里親の皆様や子どもに恵まれない方を対象とした特別養子縁組の斡旋事業者さんとも何度も意見交換を行ってきました。

性教育の必要性を殊更に文教科学委員会で訴えてきたのも性的虐待や性暴力から子どもたちを守るためであり、私の国会活動が常に子どもに軸足を置いているということは、長く応援してくださった方々には見えているものと思っております

親権問題に興味を持ったきっかけは紛れもなく、虐待を受けて亡くなった女の子の言葉でした。
父母が離婚し、新しいパパにひどい虐待を受け何度も一時保護を繰り返した上、母親にも守ってもらえず絶命した小さな女の子は生前、

「前のパパが良かった」
と児相で話しています。

このエピソードは国会でも紹介したことがあり、その際は共同親権導入に反対する方々から「あの事件は前の父親もひどかったはずだ」「亡くなった子どもを政治利用するなど許せない」等、様々な意見をいただきましたが、私はたった5歳で苦しみながら無念の死を遂げた女の子のこの言葉は彼女が精一杯発したSOSであり、今回の法改正議論でも度々登場した”子どもの意見表明”のひとつであったと考えています。もちろん、児童相談所の体制などが充実すれば死亡自体は防げたというロジックは成り立つかもしれませんが、「前のパパが良かった」という言葉を無視できる理由にはなりません。事実、児童相談所に何度も通報が入り一時保護を繰り返したとしても、児相は親権を持たない親に連絡するすることはできませんし、今回の法改正をもってしても、単独親権となった場合はこの運用に変化はありません。前述とは別の事件で、親権を持たないがゆえに児相からの連絡を受けられず、元妻の虐待によって娘の命が奪われたある父親は「今回の法改正では娘の悲劇の再発を防げない」と話していました。


今もひとり親の新しいパートナーによる児童虐待死のニュースは後を絶ちません。未婚の母やパートナーの死別など、必ずしも親権を持つべき元配偶者がいるケースばかりではないでしょうけれど、多層なセーフティーネットが必要なこどもにとって親のみならず祖父母やいとこ等親族のつながりを半分喪失する可能性の高い単独親権は極力避けられるべきです。

また虐待のないケースに置いては言わずもがな、共同親権が必要です。

会えなくなったお父さんに会いたい
お母さんにもう一度だっこしてほしい

そう思っていても一緒に暮らす親に遠慮して言えなかった子どもたちがこれまでどれだけこの国にいたでしょうか。自分たちの意思で「この人と生きていこう」と相手を選んで結婚をし、子どもを持つという選択をした。
婚姻前には想定できなかった様々な理由があり、夫婦としての関係を維持することが難しくなった。
大人にとっては「仕方ないこと」であったとしても、子どもにとっては多くの場合、生涯忘れられない辛い経験となります。
にもかかわらず、子どもは健気にも親に心配かけまいと気丈に振る舞ったり、親の望む反応を考えて行動したり、両親の離婚は自分のせいだと悩んだりすることがあります。
本来は親が子どものために気を使うべきであるのに、日本は子どもが親のために気を使うことを強いてきた側面があり、今回の法改正によって子どもの利益を最優先に考えた世の中と司法に転換されることを願ってやみません。
子どもの権利を重視する先進諸国はその変化を30〜40年前に経験しており、日本は「実の子どもを片方の親から平気で誘拐する国」として汚名を拝しています。
私はこれまでに日本人パートナーによって子どもを連れ去られ親子断絶された外国人当事者から多数話を聞いてきましたが、ある親は「連れ去りや親子断絶を許す仕組みや親権制度はおかしく前時代的だ。それでも日本は素晴らしい国。もったいない。」と話していました。子を奪われてなお素晴らしい国と言ってくれるのはその方だけではありません。そんな外国人親に会う度、申し訳ない気持ちと恥ずかしい気持ちでいたたまれなくなってしまうのです。
尚、オンラインで私が英語を学んでいた際、毎回多種多様な国の講師にレッスンを受け持っていただきましたが、どの国のどの性別のどの年代の講師と話をしても「共同親権は子どものために非常に重要なのに、なぜ日本の法律はそんなことになっているの??」「日本人による拉致は知っているよ。私の友人が被害者だからね。子どもと生き別れになってからの彼は生気を失い、まるで別人みたいになってしまったんだ」「法改正を求めるあなたの仕事は大きな意味があるよ。是非胸を張ってね!」と応援の声ばかりをいただき、いかに日本がガラパゴスであるのかを実感しました。
そして、昨夏の豪州訪問では、ペニー・ウォン外務大臣との会談という野党の1期生議員には想像さえできないような貴重な機会を頂きました。「私は日本政府との関係を非常に重視しているので、正直申し上げれば野党の議員の方とは滅多にお会いできません。この問題に熱心に取り組んでいる梅村議員とお会いするのは、オーストラリアがどれだけ子どもの権利を大切にしているかの証でもあるのです」という趣旨のお言葉をいただきました。
大臣との会談をきっかけにオーストラリアは日本政府に対して内政干渉にならないように最大限配慮してくださりながら、非常に紳士的に、それでいて日本の政治決断のエンジンを自然に加速させるような形で様々なアプローチをしてくださいました。今回の法改正に当たり、オーストラリア政府ならびに現地でお会いしたサイモン・バーミンガム影の外相はじめとした議員各位とスタッフの皆様、司法の視点から非常に成熟したご知見を賜ったヴィクトリア・ベネット判事、大使館の皆様、そして子の連れ去りに遭いながらも日本人当事者と一緒に日本の家族法改正のために尽力してくれたオーストラリアや各国の良き友人たちに心から感謝を申し上げたく思います。
一方で、今回の法改正は外国人当事者の問題を解決することにおいても不十分な制度です。世界を取り巻く安全保障環境が不安定な中、友好国が抱える我が国由来のお困りごとに真摯に向き合わなければ戦略的パートナーとしての関係にも影を落としかねないと危惧しています。

また、日本は長らく母親神話を女性に押し付け、母親と子どもを鉄の鎖でしばりつけ、女性の社会進出を阻み、女性を経済弱者に留め続けてきました。アメリカでは著名なフェミニストが女性を家事育児から解放するために共同親権を推進したと言われており、日本でも離婚後に父母それぞれが対等に子の養育を担っていくことの重要性が国民の共通認識として今後浸透することによって、「育児家事は女、男は仕事」という根強い性別役割的価値観から本当の意味で脱却し、人々が男女の別なく活躍できる社会を実現できるものと期待しております。


一方、今回の法案は共同養育計画の策定や親ガイダンス受講の義務化が盛り込まれておらず、共同親権を父母本人が選択したとしても、また裁判所から共同親権が命じられたとしても、互いの感情のもつれ等から結局はうまく共同養育を行うことが困難になるケースも頻発するであろうと考えます。まずは離婚による一番の被害者は子どもであり、夫婦としての最後の責務として子の養育を子どもの視点最優先で考えるということをマインドセットするとともに今後子どものために注意すべきポイントを学ぶ親ガイダンス、反故にすることはできない公正証書として養育時間の分掌や養育費の取り決め、単独で判断できるものとできないもの、緊急時の判断や計画変更にあたっての手続方法などを定めた養育計画の作成を義務付けることは、円滑に共同養育を継続するにあたって重要不可欠なものです。


同時に、子どもが自分を責めることのないように、両親の離婚はあなたのせいではないと伝えること、これから子どもに訪れるであろう葛藤と思い悩んだ時の対処方法等を伝える子どものためのガイダンスは”子の最善の利益”を謳うのであれば、是非法案に入れてほしい内容でした。

また、共同親権となった場合でも実は性的虐待を受けており恐怖におびえている子ども、単独親権となった場合でも別居親に会いたいと願う子ども等、様々な子どもの困難が考えられる中で、子どもの本心をどのように聞いていくのか。発達段階の子どもが自らの確固とした意志を表明できない場合や、子ども本人が自分の意志を把握するのが難しい場合、自分の本心よりも親を含めた周囲への配慮を優先する場合等、様々なケースも想定されます。子どもの言葉=子どもの本心と捉えて親権判断材料とするには注意も必要であり、場合によっては将来「あの時の私の言葉が親を苦しめた、あるいは自分自身を困難に追い込んだ」と重い十字架を背負わせることになりかねません。

オーストラリアで長年、司法の現場で家族法を扱ってきたヴィクトリア・ベネット判事は「子どもに重い十字架を背負わせないため、オーストラリアでは子どものVoiceを大切にしながら、大人が子の最善を考えたChoiceをする」と仰っていました。この親権問題のみならずあらゆる課題を含め日本が子どもの意見表明権についてどのように考えていくのかは避けて通れない議論です

更に、日本の脆弱すぎるDV対策は日本への共同親権制度導入が遅きに失した大きな理由のひとつであり、今回の法案内容にも影響しています。
警察を積極的に関与させた仕組みや、そもそもDV・各種ハラスメント・いじめ・虐待などといった他人の人格を無視した行動を是としないための教育や研修の充実、加害者プログラムの充実や心理職のマンパワー増強等多方面からの具体的かつ実効力のある対策を構築していかねばなりません。
他にも、課題点や運用にあたって注意すべきことは枚挙にいとまありませんし、むしろ今日が新たなスタートであるとも言えます。
これまでこの共同親権議論を会派内で先導してくださった中津川ひろさと元衆議・串田誠一参議・嘉田由紀子参議・石井章参議他先輩方、超党派共同養育支援議員連盟でご指導くださった柴山昌彦会長・牧原秀樹幹事長・三谷英弘事務局長他同志の皆様、私の思いを法案審議に届けてくださった党法務委員の皆様、地元大阪からバトンを渡してくださった府議市議の皆様、国と地方の垣根を超えてともに連携してきた地方議員の皆様に感謝しながら、これからの運用を確認し、さらなる法改正へ向けて力を合わせて参ります。

最後に。

本日に至るまで、数え切れないほど多くの当事者の皆様から耐え難い苦しみを伝えていただき、ともに泣き、ともに怒り、皆様と励まし合って参りました。親に会いたい思いを抱えて亡くなったお子様の墓前に手を合わせた日、我が子に会えない絶望から命を絶ったお父様にお焼香をあげた日、赤ちゃんを連れ去られたママが「もう生きていられない」とSOSの電話をくれた日、幼いお子さんが連れ去りの恐ろしさを告白してくれた日、様々に思い出されます。
皆様の涙と憤りと訴えなしに、この法律が成立することはありませんでした。日本に共同親権制度がもたらしたのは皆様です。国を動かし、法律を変えたことに、どうか胸を張っていただきたく存じます。我が党では吉村洋文共同代表が大阪の首長として長年に渡って国に対して共同親権を求めており、単独親権制度は害悪である、原則共同親権であるべきだと訴え、地方議会でも国会でも多くの議員たちがこの問題に全力で取り組んでいました。党の政権公約にも掲げ、国内外沢山の方々にご期待をいただいてきました。
それゆえに、子どもの権利を守るために必要な要素を十分に盛り込んだ党の独自法案を政府案の対案として提出できず、課題が多く残る法律を世に出すことになったのは痛恨の極みであり、独自法案を望んでいた方々を裏切ってしまったことを非常に心苦しく思っております。力及ばず大変申し訳ございませんでした。
また法案が不十分なだけに「廃案にしてください!」と訴えてくださった方々にも謝らねばなりません。より状況が悪化しかねないというご懸念は理解しておりますので、なんとしてでも実務・運用で私たちが目指していた方向性に近づいていこうと思っております。
その上で、強制的単独親権国家という長年の岩盤に離婚後共同親権という価値観の楔を打つという大義により、参議院本会議の採決において私、梅村みずほは自らの意志で本法案に起立賛成させていただきましたことをお分かりいただけましたなら幸いです。
この離婚後共同親権を国会において推進してきた議員のひとりとして、これまで通り皆様と心を通わせながらこの問題に継続的積極的に取り組み、子と親の幸せを追求し続けることをお誓いし、引き続きのご理解とご協力を宜しくお願い申し上げます。
参議院議員
梅村みずほ

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かねてより政府主導で「女性活躍時代」が推進されているとはいえ、残念ながら女性の悩みに本当に寄り添っているとは思えません。 子どもたちを笑顔にするためには、お母さんたちが幸せになる社会を作らなければいけない。 子どもたちを育てることは、未来の日本を育てていくことと同じです。今こそお母さん目線の政治が必要だと考え、私は出馬を決めました。 政治家としてはまだまだ未熟な私ですが、公認してもらえた日本維新の会とともに、子育て支援や教育、女性活躍に関する改革の実現のため、邁進していきます。

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