参政党は、エネルギー政策においてパリ協定からの離脱および炭素目標の撤回を主張しており、電気料金の高騰や環境破壊・資本流出を招くとして再エネ推進政策そのものに強く反対する立場をとっています。太陽光パネルの大量導入問題、再エネ賦課金による国民負担、そして「RE100」に代表される国際的な脱炭素イニシアティブへの疑問という三つの大きな論点を中心に質疑を展開しました。
太陽光パネル大量廃棄問題と廃棄物リサイクル法案への追及
2026年4月、政府は「太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律案」を閣議決定し、国会に提出しました。5月28日の参議院環境委員会では同法案に対する質疑を行い、問題点を鋭く突いています。特に強調してきたのは、廃棄コストの費用負担の所在が法案において不明確であるという点です。太陽光パネルの撤去・運搬・保管・再資源化・原状回復等に要する費用を、国費、地方自治体負担、再エネ賦課金又は電気料金への制度的上乗せによる追加的な国民負担ではなく、太陽光発電の関係事業者が負担することを明確化するよう求めました。また、大量廃棄が発生する根本原因は太陽光発電の大量導入そのものにあるとして、廃棄処理の制度整備を議論する前に、政府が推進してきた大量導入政策自体を見直すべきであるという根本的な立場を打ち出しました。
5月26日に行われた同委員会の参考人質疑においても、キヤノングローバル戦略研究所・杉山大志研究主幹の「太陽光パネルの大量導入そのものが間違っていた」という意見に強く同調し、再エネ推進派の専門家との認識の違いを際立たせる質疑を展開しました。
再エネ賦課金による国民負担の問題
一貫して問い続けてきたもう一つの柱が、再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)による国民負担の問題です。FIT制度(固定価格買取制度)の開始以来、再エネ賦課金の累計国民負担額は2025年時点で約23兆円に達したとされており、2025年度には年間負担額が初めて3兆円を超え、標準家庭でも2026年度は年額2万64円の負担になると報じられました。2026年度の再エネ賦課金単価はさらに引き上げられ、1kWhあたり4.18円に設定されました。こうしたデータを国会質疑で積極的に取り上げ、導入された太陽光パネルの約8割が中国製であるとの指摘も交えながら、「巨額の国民負担が国内産業や国民生活に十分に還元されていない」という問題意識を訴えてきました。国民に多大な経済的負担を強いながら、その恩恵が国内に帰着しないという構造的な問題を指摘しています。
「RE100」と脱炭素グローバリズムへの批判
2026年5月21日の参議院環境委員会では、「脱炭素グローバリズム『RE100』の実態」と題した質疑を行いました。RE100とは、事業活動に使用するエネルギーを100%再生可能エネルギーで賄うことを目標とする国際イニシアティブで、2025年7月時点で世界444の企業が加盟しています。
この質疑において、RE100という国際的な枠組みが日本の企業や消費者に多大なコストを課す一方で、その効果・実態について政府が国民に十分な情報を提供していないとして政府側を追及しました。脱炭素の名目で進む国際的なルール形成が日本の経済的利益や主権を損なうものであるという参政党の基本的な問題意識に立ち、「グローバリズム」に親和的な再エネ・脱炭素政策を批判的に検証する視点からの質疑となりました。
日本の地理的特性に合った「地熱発電」
一方で、地熱発電については、日本の地理的特性を生かせる有望な再生可能エネルギーとして、より積極的に推進すべきと考えています。日本は火山国であり、地熱資源に恵まれています。地熱発電は、太陽光のように天候や昼夜に左右されにくく、風力のように風況に大きく依存することも少ないため、安定的に発電できる電源として期待できます。再エネの中でも、地域の条件が整えばベースロード電源に近い役割を果たせる可能性があり、エネルギー安全保障の観点からも重要です。
ただし、地熱発電を進める場合にも、自然環境や温泉資源への配慮は欠かせません。地熱資源が豊富な地域は、国立公園や温泉地と重なることが多く、観光業や地域文化と密接に結び付いています。そのため、開発を一方的に進めるのではなく、温泉事業者や地域住民との丁寧な合意形成が必要です。地下資源の利用が温泉の湧出量や温度に与える影響について科学的に調査し、情報を公開しながら、地域の不安を解消していくことが求められます。地熱発電は、地域と対立する形ではなく、地域経済と共存する形で進めるべきです。
地熱発電の推進に当たっては、地域への利益還元も重要です。発電事業による収益が地域外に流れるのでは、住民の理解は得られません。地元雇用の創出、自治体収入の増加、温泉熱や余剰熱を活用した農業・観光振興、防災拠点への電力供給など、地域に具体的なメリットが生まれる仕組みを整える必要があります。地熱発電を単なる電源開発として見るのではなく、地域振興策と一体で進めることで、再エネに対する住民の納得感も高まります。
全体として、再生エネルギーに関する質疑は、再エネを増やすこと自体を目的化せず、国民本位で政策を見直す必要性を示すものです。風力発電や太陽光発電については、健康影響、環境破壊、廃棄物、災害リスク、国民負担を厳しく検証しなければなりません。その一方で、安定性に優れ、日本の自然条件に合った地熱発電については、環境や温泉資源への配慮、地域合意、利益還元を前提に、戦略的に推進する価値があります。再生可能エネルギー政策に求められるのは、単に導入量を増やすことではなく、地域に負担を押し付けず、将来世代にも責任を持ち、国民全体に利益が還元される持続可能な仕組みをつくることです。