身を切る改革で、新しい政治の扉を開く

罪を犯す親と子どもの死について。

罪を犯す親と子どもの死について。
〜さいたま小4死体遺棄事件〜

 

「児童相談所は、いわゆる内縁の夫や義理の父というだけで
その家庭をマークすることはありません。
ですが、その男性が無職になった時、大変警戒します。」

 

虐待と里親制度にお詳しい
京都華頂大学の山川宏和准教授の
その言葉を聞いた翌日、

無職の義理の父親が逮捕された
さいたま小4死体遺棄事件の報道を耳にし

「無職」という言葉が頭から離れませんでした。

 

今回の事件が
他の”内縁の夫”や”義父”の絡む虐待死と
少し違って見えるのは

周囲から見た容疑者像が
決して悪いものばかりではなかったという点。

 

「親子で仲良くしているのを見た」
「若いのに偉いなと思った」

という声も多く

「怒鳴り声が頻繁に聞こえた」
「親子の姿をめったに見かけない」

などのネガティブなイメージは
あまり出てきません。

政治家という立場で
不確かなことを発言するのは
あまり好ましくないのかもしれませんが

「この容疑者、
頑張ってたんちゃうかな…
本当の父親じゃないくせにと言われても
それなりの仕事に恵まれていれば
事件のトリガーにはならなかったのでは…」

と思ってしまったのです。

働きたいのに働けないことによって
傷つけられた自尊心と
慢性的なフラストレーションがあったからこそ

一生懸命向き合おうとした義理の息子の
幼い一言が
理性を吹き飛ばすほどの怒りとなってしまったのではないか。

生みの母親でさえ
心に余裕がない時は
我が子に手をかけそうになる瞬間があります。

私も一度、
まだ0歳だった娘を
本気で投げつけたい衝動に
かられたことがありました。

イヤイヤ期の長男。
泣き止まない娘。
ワンオペ育児。

今思えば育児ノイローゼとも言うべき
異常な状態でしたが、
自分への失望と孤独感で
子どもがかわいいと思えなかった時期です。

 

私を犯罪者にしなかったのは
血の繋がりで
なんとかつなぎとめた理性だったのかもしれません。

 

なので、血のつながりがない子どもを
一生懸命育てていらっしゃる
親御さんにお会いすると
ただただ頭が下がるのです。

 

小4でしっかりしてきてはいるものの
俗に

「9歳の壁」
「小4の壁」

と言われる難しい年頃の男子。

誕生の瞬間から我が子の成長を
アシストしている実の母親たちだって
頭を悩ませる成長期の壁に

育児経験も
血の繋がりもない男性が直面する。

今回の容疑者も
苦労しただろうことは想像に難くありません。

 

 

 

「介護関連の資格があるようで、
結婚後に仕事を探していたようだ。
最近は無職という状態が続いていた。」

とは捜査関係者の話。

 

30代40代がいい職を見つけられないこの国の現状が
9歳の男の子の絶命と無関係だと
言い切れるでしょうか。

 


しかし、
どんな理由があるにせよ
死体遺棄容疑は許されるわけもありません。

殺害についてもおおむね認めているかと思えば
一転して否認の報道もあり

男児の捜索時には
平然と加わっていたとのこと。

凶器を含め
自分のしてしまったことを
隠蔽しようとする姿勢には
憎悪しかありません。

償うべき罪は償い、

2度と戻ることのない
9歳の男の子の鎮魂に
人生を捧げていただきたく思います。

 

進藤遼佑さんのご冥福を
心よりお祈り申し上げます。

 

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前述の山川宏和准教授には
児童虐待と英国での里親制度について
9/17にお話を伺いました。

この件に関しては
また別記事にて。

 

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