国会で「国旗の損壊等の処罰に関する法律案」が議題となり、賛成党を代表して賛成討論を行いました。討論では、国旗は単なる布や記号ではなく、その国が歩んできた歴史、伝統、文化、そして国民を象徴する存在であると述べました。
オリンピックや国際大会で、選手が掲揚される国旗を見上げる姿には、国を代表して競技に臨み、国民の期待を背負って努力してきた時間が表れています。また、外国の要人を迎える場で日本国旗と相手国の国旗を並べて掲げることは、相手国とその国民に対する敬意を示すものです。意見や価値観が異なる国同士であっても、相手国の国旗を焼いたり、引き裂いたり、踏みにじったりすることを慎むのは、国家間の最低限の礼節です。
外国国旗は守られ、日本国旗は守られてこなかった
日本の刑法には、外国の国旗などを侮辱する目的で損壊した場合に処罰する規定があります。一方で、日本国旗については、自分の所有物である限り、公然と焼いたり、引き裂いたりしても、それ自体を直接処罰する規定はありませんでした。
外国の国旗は保護しながら、日本国旗だけが同じように保護されていない制度は、公平性を欠いているのではないか。今回の法案は、こうした制度上の違いを改めるものだと主張しました。
自国の国旗を大切にすることと、他国の国旗を大切にすることは、対立するものではありません。自国の尊厳を大切にできるからこそ、他国の尊厳にも敬意を払うことができます。そのため、国会が法律によって明確な規範を示す必要があると訴えました。
表現の自由との関係
国旗の損壊を処罰する法律については、憲法が保障する表現の自由を侵害するのではないかという指摘があります。討論では、政府や政党、政策、政治家を批判する自由は、民主主義を支える重要な権利であり、最大限尊重されるべきだと述べました。
その一方で、自由や権利は、他者の自由や権利との調和の中で成り立つものでもあります。表現の自由も、国旗を大切に思う国民の感情や利益と無関係ではありません。ただし、思想や信条、芸術表現、政治的言論そのものを処罰することは許されません。
処罰の対象は、公然と、著しく侮辱するような方法で国旗を損壊、除去、汚損する行為などに限定されるべきであり、判断に当たっては、行為の態様や場所、周囲の状況などを客観的に考慮する必要があると述べました。
日の丸は特定政党の象徴ではない
討論では、街頭演説などで、大きな「×印」を付けた日の丸が掲げられた事例にも触れました。政党の政策に反対することも、政治家を批判することも自由です。しかし、批判するのであれば、政党名や党のシンボルなどを使い、言論によって行うべきです。日の丸は、特定の政党や政治家、時の政権の象徴ではありません。日本という国家と、日本国民全体を象徴する旗です。
特定の政党への抗議のために日の丸を傷つけることは、批判の対象を超え、国旗そのものを大切に思う多くの国民に悲しみや憤りを与える行為になり得ると指摘しました。
当初案から修正、共同提出へ
今回の法案は、賛成党が当初求めていた内容をすべて盛り込んだものではありません。参政党は、国旗を保護する法律の根拠を、単に国民感情の保護だけではなく、国家の尊厳や秩序を守ることに置くべきだと考えてきました。
また、損壊された国旗を公然と掲示する行為についても、処罰対象として検討すべきだとの立場を示していました。一方、各党間の協議を経て、法施行後3年をめどとする見直し規定が盛り込まれ、損壊された国旗の公然掲示なども検討対象とされました。
この点を重く受け止め、賛成党は独自に提出していた法案を撤回し、今回の法案の共同提出者となりました。これは理念を曲げたのではなく、理念を実際の法律として一歩前に進めるための判断であると説明しました。
学校教育にも関わる問題
学習指導要領では、日本と他国の国旗や国歌を尊重する態度を育てることが求められています。その一方で、現実の社会では、国旗や国歌に関する職務上の命令をめぐって、さまざまな議論や対立が続いています。
子どもたちに伝えるべきなのは、「日本だけは何をされても我慢すべきだ」という考え方ではありません。日本の国旗も、他国の国旗も、ともに大切にされるべきである。その姿勢を社会全体で示すためにも、今回の法律が必要だと訴えました。
国旗を大切にすることは、他国への敵意ではない
国旗を大切にすることは、戦争や軍国主義を肯定することではありません。また、他国を敵視することでもありません。自分の国を大切にするからこそ、他国にも敬意を払うことができます。
自国の尊厳を守ることと、他国の尊厳を守ることを両立させる。それが成熟した国家の姿であると述べました。国旗は、国家の過去と現在、そして未来を結ぶ存在です。先人から受け継いだ形見であり、次の世代へ託していく襷でもあります。
その日の丸を、胸を張って次の世代へ受け渡していくため、本法律案に賛成することを表明しました。
法案は可決
討論終了後、法案の採決が行われました。本法律案は、賛成161、反対81で可決されました。
白地に赤く日の丸染めて、青空高く日の丸上げて。この美しい日本の旗を、胸を張って次の世代へ受け渡してまいりましょう。